平成27年2月16日

東京都労働委員会事務局

 

E事件命令書交付について

 

 当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。
命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者 

  申立人  X1組合(以下「組合」という。)

  被申立人  Y1会社(以下「会社」という。)

 

2 事件の概要

⑴ 会社は、15年度に、職種別、職位別及び業績評価別に基本給の上限額を設定する制度を導入し、21年度に基本給上限額を引き下げた。組合員らは、既に基本給上限額に達していた、または、基本給上限額に達したため、賃上げが行われなかった。

⑵ また、会社は、21年度一時金において、専門職と事務・技能職の一時金の支給月率に差を設けた。そのため、当時、会社に雇用されていた組合員5名のうち、事務・技能職である4名の21年度一時金支給月率は、専門職に比べて少ない月率となった。

⑶ 21年度において、会社は、組合員らを、平均を下回る業績評価に基づき、昇格させず、賃金及び一時金を支給した。

⑷ 21年1月19日に、組合が、21年度賃上げ・一時金要求をして以降、22年2月8日に妥結するまでの間に、団体交渉が17回開催された。

⑸ 本件は、会社が、@基本給及び一時金支給に関して、職種別・職位別・業績評価別に基本給上限額を設け、21年度に基本給上限額を引き下げたこと、A21年度一時金について、専門職と事務・技能職の平均支給月率に差を設けたこと、B21年度昇格・賃金・一時金に係る組合員の業績評価において平均を下回る評価を行ったことが、それぞれ、組合活動あるいは組合員であるが故の不利益取扱い及び組合弱体化を狙った支配介入に当たるか否か、また、C21年度賃上げ・一時金に係る団体交渉における会社の対応が、不誠実なものであったか否かが、争われた事件である。

 

3 命令の概要

<主文(要旨)>

  本件申立てを棄却する。

 

4 判断のポイント

⑴ 基本給上限額は他組合も含む全従業員に適用されており、21年度に基本給上限額が引き下げられたことにより、組合員が殊更不利益に扱われたとの事実も認められないことなどから、会社が、職種別・職位別・業績評価別の基本給上限額を設けて引き下げたことは、不利益取扱いにも支配介入にも当たらない。

⑵ 一時金支給月率の職種による差は、他組合の組合員も含む全従業員に適用されており、事務・技能職の組合員は、わずか4名であって、この程度の少人数をもって、組合員を狙いうちにしたとはいえず、一時金支給月率に職種による差を設けたことは、不利益取扱いにも支配介入にも当たらない。

⑶ 組合員が平均以上の業績評価を受けるに相当する業績を上げていることや会社が組合を嫌悪していることを窺わせるに足りる具体的事実の疎明はなされていないことなどから、不利益取扱いにも支配介入にも当たらない。

⑷ 会社は、高年齢層の賃金水準を是正する必要性について一応の根拠を示し、組合の理解を求める努力を行い、再配分する仕組みの概要を説明しており、これに対する組合の対応や、17回団体交渉が行われ妥結したことを考え併せれば、団体交渉における会社の対応が、不誠実であったとまではいえない。

問い合わせ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 03−5320−6988