平成27年8月27

東京都労働委員会事務局

 

M事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者 

  申立人  X1組合東京地方本部

        X2組合

被申立人  一般財団法人Y協会

 

2 事件の概要

協会は、法務局の登記情報等の証明書交付等の業務を随意契約により受託してきたが、19年度から民間競争入札が導入され、22年度の入札では47か所のうち2か所しか落札できず、多くの職員が失職することとなった。組合は、雇用の確保を求め、協会と団体交渉を行ったが進展せず、当委員会に不当労働行為救済申立てを行い、協会との間で、次回入札で落札し組合員を再雇用する場合、労働条件等は労使協議する旨の和解が成立した。

その後、24年度の入札で協会は、53か所のうち1か所を落札した。これを受け、和解に基づく団体交渉が、法務局への配置人員名簿提出期限までに労働条件を決定するとの共通認識の下に行われたが、以前の賃金との格差縮小を要求する組合と応じられないとする協会の間で合意に至らず、組合員は、25年4月1日より協会提示の労働条件で再雇用された。

X2組合の委員長であるAは、協会に再雇用されたが、職場で問題が発生した際に、業務管理者B1らは、Aに対し、職場に組合の委員長がいるなどあり得ない、Aとは今後話はしないなどと発言した。協会は、組合排除を意図した発言ではないが誤解を招いたとしてB1らを厳重注意処分とし、組合には遺憾の意を表する書面を提出した。

本件は、@組合員の再雇用時の賃金に関する団体交渉における協会の一連の対応が不誠実な団体交渉に、AB1らの発言及びその後の協会の対応が組合員に対する不利益取扱い及び組合に対する支配介入に、それぞれ当たるか否かが争われた事案である。

 

3 命令の概要 一部救済命令

<主文(要旨)>

  ⑴ 文書の交付

要旨:組合員の再雇用に関する団体交渉における協会の一連の対応は、不当労働行為と認定されたこと。今後、このような行為を繰り返さないよう留意すること。

⑵ 前項の履行報告

  ⑶ その余の申立ての棄却

 

4 判断のポイント

   法務局への配置人員名簿提出期限までに、労働条件を決定する必要があるとの認識を労使双方が持って団体交渉を行う状況において、組合が、自己の要求に固執せず、具体的な対応策を提案している一方で、協会は、財政上の問題等との抽象的な回答を繰り返し、可能な範囲での根拠資料の提示などをしなかった。この協会の一連の対応は、不誠実な対応といわざるを得ない。

 

   B1らの発言は、協会の意を体したものとはいえず、その後の協会の対応からも、組合の運営に対する支配介入又はAが委員長であるが故に行った不利益取扱いに当たらない。

 

問い合わせ先

労働委員会事務局審査調整課 

電話 0353206987