平成27年10月29日

東京都労働委員会事務局

 

H事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。

命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者 

  申立人    X1(組合連合会)

         X2(組合)

  被申立人   Y(株式会社)

 

2 事件の概要

  被申立人会社には定期昇給の制度がなく、平成11年以降、申立人組合が行った春闘要求に対し、会社は、賃上げなしとのいわゆるゼロ回答を繰り返した。また、会社は、11年以降、一時金の支給額を切り下げ、16年以降は、組合の夏季一時金及び冬季一時金要求に対し、「30万円±20万円」との回答を繰り返した。

組合は、団体交渉の席で、会社に対し、財務諸表を開示するなどして会社が回答した根拠を説明するよう求めたが、会社は、組合の資料要求には応じなかった。

  本件は、組合の資料開示要求に応じなかった会社の対応が、不誠実な団体交渉に該当するか否か、また、組合から繰り返し申入れのあった、24年春闘要求を議題とする団体交渉等に会社が応じなかったことが、正当な理由のない団体交渉拒否に該当するか否かが争われた事案である。

 

3 命令の概要 (一部救済)

<主文(要旨)>

 (1) 25年2月19日以降に組合が申し入れた、24年春闘・夏季一時金・冬季一時金、25年春闘・夏季一時金・冬季一時金を議題とする団体交渉に、財務資料(それぞれ少なくとも直近3年分の貸借対照表、損益計算書等)を提示して速やかかつ誠実に応ずること。

(2) 文書の交付

   要旨:25年春闘・夏季一時金・冬季一時金に係る団体交渉における対応、並びに24年春闘・夏季一時金・冬季一時金、25年春闘・夏季一時金に係る団体交渉申入れに応じなかったことは、不当労働行為であると認定されたこと。今後、このような行為を繰り返さないように留意すること。

(3) 前項の履行報告

(4) その他の申立ての却下

 

4 判断のポイント

 ・各団体交渉において、会社が、自らの回答を根拠付ける財務資料等を提供する必要があったにもかかわらず、これに対応していないことは、不誠実な団体交渉に該当する。

 ・団体交渉に誠実に対応せず、妥結していない状況で、会社が、その後の組合からの団体交渉申入れに応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に該当する。

 ・241130日以前の団体交渉に係る申立ては、申立期間徒過により却下する。

 

 

問い合わせ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 03−5320−6998