平成27年6月25日

東京都労働委員会事務局

T事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者

  申立人  X1組合

        X2支部

  被申立人  Y1株式会社

 

2 事件の概要

被申立人会社は、LPガスボンベ配送、保安業務等を、雇用契約、業務委託契約等を締結した配送員に行わせていた。平成23年頃から、会社は、配送員との雇用契約を解除し、業務請負基本契約を締結するようになった。

25年2月18日、会社は、業務の唯一の委託元である申立外Y2会社(以下「Y2」という。)から、債務不履行を理由に保安業務委託契約を解除され、6月20日には、Y2との配送業務委託契約についても7月末日付けでの解除に合意したことから、8月以降業務が無くなることとなった。

そこで、会社は、配送員との契約解除を決め、業務請負基本契約を締結している配送員で、引き続き配送業務への従事を希望する者を、会社と同様の配送システムを採用している別会社に配送員として紹介することとし、説明会を開催した。会社は、組合員に対しても、団体交渉において、雇用契約等の解除の合意を前提に、希望者を募った。この結果、配送員のうち組合員6名以外は、会社との業務請負基本契約、雇用契約等を合意解除した。

7月29日、会社は、組合員6名に対し、8月31日付けでの雇用契約等の解除を通知し、8月21日、株主総会で解散を決議した。

本件は、@配送員である組合員らが、労働組合法上の労働者に当たるか否か、並びにA会社の事業廃止及び解散と、それに伴う組合員らとの8月31日付けの雇用契約等の解除が、組合員であるが故の不利益取扱い及び組合の運営に対する支配介入に当たるか否かが争われた事案である。

 

3 命令の概要

<主文>本件申立てを棄却する。

 

4 判断のポイント

   労働組合法上の労働者該当性の判断は、労働契約の形式ではなく、就労実態に即して判断すべきである。これを配送員の労務供給等の実態に即してみると、@事業組織への組み入れ、A契約内容の一方的・定例的決定、B報酬の労務対価性、C業務の依頼に応ずべき関係、D広い意味での指揮監督下での労務提供、一定時間的場所的拘束はそれぞれ認められ、さらに、顕著な事業者性が認められないことから、配送員は、会社との関係において、労働組合法上の労働者に当たる。

⑵ 会社が、殊更組合を嫌悪し、組合員を会社から排除した上で、支部を解体するために事業を廃止し会社を解散したとまで推認するに足りる具体的な事実の疎明はなく、会社は、Y2から保安業務委託契約を解除され、その後配送業務委託契約も合意解除せざるを得なくなり、収益源を失った結果、事業廃止及び解散に至ったと解するのが相当である。会社が事業廃止及び解散に至った以上、配送員との雇用契約等は全て終了せざるを得ない。したがって、会社の事業廃止及び解散と、それに伴う組合員らとの雇用契約等の解除は、組合員であるが故の不利益取扱い又は組合の運営に対する支配介入に当たらない。

問い合わせ先

労働委員会事務局審査調整課 

電話 035320698803-5320-6986