平成28年3月30日

東京都労働委員会事務局

 

T事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者

  申立人  X(組合)

  被申立人  Y1(株式会社)、Y2(株式会社)、Y3(株式会社)、Y4(株式会社)、Y5(株式会社)

 

2 事件の概要

  Aは、平成24年6月、被申立人Y1のD原発の作業員募集に応じ、申立外Cと雇用契約を締結した。Cは、Y1から業務を請け負った被申立人Y2の第一次下請会社である被申立人Y3、第二次下請会社である被申立人Y4及び第三次下請会社である被申立人Y5(以下「Y2ら4社」という。)のさらに下請会社であった。

  Aは、6月19日、D原発において、当初説明されていた業務と異なる、建屋近辺に散乱するガラス撤去等をさせられたことから、Y3の担当者に不服を述べ説明を求めたところ、Cを解雇されるに至った。

  Aは、申立人組合に加入し、組合は、8月24日、1127日、251010日及び1114日にY1に対し、24年8月24日、1127日及び251010日にY2ら4社に対して、Aの業務内容が変更になったことなどについて団体交渉を申し入れたが、被申立人らは、いずれも団体交渉を拒否した。

  本件は、Y1が上記251010日及び1114日付団体交渉申入れを、Y2ら4社が上記1010日付団体交渉申入れを、それぞれ拒否したことが正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否かが争われた事案である。

 

3 命令の概要(一部救済)

<主文(要旨)>

⑴ Y2及びY3は、申立人Xが、採用時に提示されたものと異なる業務に同X組合員Aが従事することになったことについての団体交渉を申し入れたときは、誠意をもってこれに応じなければならない。

⑵ その余の申立てを棄却する。

 

4 判断のポイント

 ⑴ Y1は、Y2にD原発の事故収束作業を発注した者であって、Y1とAとの間に雇用関係はないことはもとより、Aに具体的な作業内容について指示したとか、Aの労働条件に影響力を行使したなどの事実は全く認められないのであるから、労働組合法第7条の使用者としての団体交渉応諾義務を負わないといわざるを得ない。

 ⑵ Aの業務内容が変更になったことについては、業務内容を具体的に決定し、指示していたと認められるY2及びY3は、Aとの関係で労働組合法上の使用者に当たるとともに、当該事項は義務的団交事項に当たる。いわゆる多重派遣の実態に置かれたこと等についても同様であるが、これらについても、Aの具体的な業務が決定され、指示される過程に関わる事項であるから、別個に団体交渉に応ずることを命ずる必要はない。

⑶ その余の団体交渉申入事項については、Y2ら4社が、労働組合法第7条の使用者に当たらないか又は当該事項は義務的団交事項には当たらない。

 

問い合わせ先

労働委員会事務局審査調整課 

電話 035320699103-5320-6986