平成28年2月22日

東京都労働委員会事務局

 

D事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。

命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者 

  申立人  X1(組合)

及びX2(支部)

  被申立人  Y(株式会社)

2 事件の概要

会社の経営状況が厳しい中で、24年9月に会社の経営陣が交代し、組合に対する姿勢が変化した。その後の団体交渉において、組合は、会社に対し、未払残業代が3,000万円超になると主張するとともに、過去の労使協定等を遵守して、労使協議を経て労働条件の変更等の施策を実行すること、社内定期便の利用等組合に対する便宜供与を認めてきたことを継続することなどを申し入れたが、会社と合意に至らなかった。

本件は、新経営陣就任後の労使関係において、会社による以下19件の行為等が、それぞれ不当労働行為に該当するか否かについて争われた事案である。

@ 平成24年5月以降、会社が組合に対して財務諸表を提示していないこと。

A 2412月5日の団体交渉で、会社が団体交渉への参加人数に異議を唱えたこと。

B 241214日の会食時におけるB1専務の言動

C 241228日及び25年1月4日に、会社が残業代清算について従業員の同意を取り付けたこと。

D 241228日に、会社が「お年玉」を従業員に支払ったこと。

E 25年1月18日及び22日付けで組合の提出した車両貸出申請を会社が拒否したこと。

F 25年2月1日から、会社がタイムカードを廃止したこと。

G 25年1月30日に、会社が従業員協議会代表者選挙を実施したこと。その際、A4支部副委員長の所属する川崎営業所で選挙をしなかったこと、及びA1支部書記長が東京事業部で立候補できなかったこと。

H 25年2月に開催された三六協定締結のための従業員過半数代表者選挙説明会における、B1専務の組合員A2に対する言動。本社及び物流センターでの当該選挙においてA1書記長及びA5支部委員長が落選したこと。

I 25年6月25日付けで、会社が集会及び社内定期便の利用の禁止を通知したこと。

J 会社がA1書記長に対して25年7月以降の給与支給停止を通知したこと、及び7月分給与から勤怠控除したこと。

K 25年7月1日付けで、会社がA1書記長に対して団体交渉を経ないで人事異動を通知したこと。

L 25年7月8日付けで、会社がA2に対して配置転換したこと。

M 会社が組合員A3の復職を認めなかったこと。

N 会社による、組合員A6及び同A7に対する組合脱退勧奨の有無

O A5委員長、A1書記長、A2ほか4名に対する25年冬季一時金の支払

P 26年1月14日に、会社がA2に対して残業を禁止したこと。

Q 2510月以降、会社がA4副委員長及びA2に対して残業代を支払っていないこと。

R 26年7月23日に開催された団体交渉において、会社が正社員に対する26年夏季一時金の平均支給率について具体的な数字を開示しなかったこと。

3 主文の要旨(一部救済)

 ⑴ 財務諸表等を提示すること(@)

⑵ 社内定期便の利用禁止通知をなかったものとすること(I)

⑶ A2の配置転換をなかったものとすること(L)

⑷ 組合からの脱退勧奨をしないこと(N)

⑸ A2の25年冬季一時金を0.7か月分の支給率で支払うこと(O)

⑹ 26年夏季一時金の平均支給率を開示すること(R)

⑺ 文書の交付、掲示等

  要旨:@、C、D、E、F、G(選挙の実施について)、I(社内定期便について)、J、K、L、N(A6について)、O(A2について)、Rについて不当労働行為と認定されたこと。今後、このような行為を繰り返さないように留意すること。

⑻ その余の申立ての棄却

4 判断のポイント

  会社が新しい経営体制となって以降、経営陣は、組合の力が強かった過去の労使関係を見直すべきであると考え、上記19件の行為等を行った。これらの行為について、事実関係を確認し、個別に不当労働行為に該当するか否かを判断したものである。(個別の行為に対する判断の詳細は、別紙の4⑴から⒆までを参照)

 

問い合わせ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 03−5320−6991