平成28年6月2日

東京都労働委員会事務局

H事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。

命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者 

  申立人  X(組合)

  被申立人  Y(株式会社)

 

2 事件の概要

組合と会社とは、以前、組合事務所の明渡しを巡る都労委平成24年不第34号事件において、和解協定を締結し、これに基づき会社は新たな組合事務所を組合に貸与した。この和解協定には、「組合事務所について会社が立退きを求めた場合、組合が立退きに応じること、会社が次の組合事務所の貸与に関する組合との協議を誠実に実施することを相互に確認する。」との条項があった。

会社は、和解協定に基づく新たな組合事務所の貸与に当たり、従前より高額な電気料金及び新たに水道料金を請求した。

また、26年4月に会社の依頼を受けた警備会社社員が、組合事務所に立ち入り警備装置を取り外したが、会社は、このことを事前に組合には通知していなかった。

同年6月、会社は組合に対して、建物の取壊し及びマンション建設を計画しているため、組合事務所の明渡しを要求した。以降、組合と会社とは、団体交渉を計5回行ったが、会社は、貸与の終了を通知し、建物明渡請求訴訟を提起した。

本件は、@組合に無断で警備会社社員を組合事務所へ立ち入らせたこと、A従前より高額な電気料金及び新たに水道料金を請求したこと、B組合事務所貸与終了の通知及び建物明渡請求訴訟を提起したことなどが、それぞれ組合運営に対する支配介入に当たるか否かが争われた事案である。

 

3 命令の概要(一部救済)

<主文>

 ⑴ 新たな組合事務所の貸与に関する協議について、和解協定にのっとり、代替建物への移転等を提案し、誠実に実施すること。

⑵ 文書交付(@、B)

  要旨:組合事務所に無断で警備会社を立ち入らせたこと及び和解協定に基づく協議を誠実に実施せずに組合事務所の貸与の終了を通知したことが不当労働行為に認定されたこと。今後、このような行為を繰り返さないように留意すること。

⑶ その余の申立ての棄却(A)

 

4 判断のポイント

   組合に無断で警備会社社員を組合事務所へ立ち入らせたこと

会社が、常識として当然行うべき事前連絡をあえて怠ったというほかなく、会社の対応は、配慮を欠き、組合を軽視しているといえることから、支配介入に当たる。

   従前より高額な電気料金及び新たに水道料金を請求したこと

組合と会社がそれぞれの算定方法を主張し、対立はあったものの、協議の末に一定の解決に至っており、支配介入に当たるということはできない。

   組合事務所貸与終了の通知及び建物明渡請求訴訟を提起したことなど

会社が和解協定に基づく協議を誠実に実施したとはいえず、したがって、会社の対応は、和解協定を遵守しないことによる支配介入に当たる。

問い合わせ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 03−5320−6992