平成1213

東京都労働委員会事務局

 

N事件命令書交付について

 

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者 

  申立  X(組合)

  被申立人  Y(株式会社)

 

2 事件の概要

 平成2611月、定年後再雇用者の労働条件に関する団体交渉等を巡る不当労働行為救済申立てについて、組合と会社は和解した。その際、締結した和解協定書には、「会社は、組合に対して、労働条件につき、会社の代表者ないしこれに準ずる権限のある者を出席させて、労使の合意が図れるように、交渉事項につき必要な経営に関する資料を提出するなどして、誠実に団体交渉を行うことを約束する。」という条項があった。

その後、組合と会社は、27年3月24日、4月21日及び7月9日に、定年後再雇用者の労働条件等に関する団体交渉を行ったが、会社社長は出席せず、また、会社は資料を提示して説明することはなかった。

本件は、上記3回の団体交渉における会社の対応が不誠実な団体交渉に当たるか否かが争われた事案である。

 

3 命令の概要 (全部救済)

<主文(要旨)>

 (1) 会社は、団体交渉に社長が出席、又は社長が出席できない場合はその合理的な理由を説明して実質的な権限を十分に付与した者を出席させた上で、自らの主張の裏付けとなる資料を提示して具体的な説明を行うなどして誠実に応じなければならない。

 (2) 文書の交付

   要旨:本件団体交渉における会社の対応が不当労働行為であると認定されたこと。今後同様の行為を繰り返さないよう留意すること。

 (3) 前項の履行報告

 

4 判断のポイント

(1) 会社の交渉担当者は、組合からの要求や質問に対し、具体的な理由や根拠の説明をせず、会社の判断を一方的に伝えたり、即答を避けて曖昧な説明を繰り返すなど、合意達成に向けて真摯に交渉に応じたとは到底いい難かった。この対応は、交渉担当者が、あらかじめ会社の方針として決められた回答以外にはその理由や根拠を含めて回答、協議する権限が一切与えられていなかったためとみざるを得ず、交渉担当者が会社の代表者に準ずる権限のある者として出席しているとはいい難い対応であった。

(2) 会社は、組合が求める資料の提示を一切行っておらず、定年後再雇用者の労働条件等に関し、現状の賃金水準でよいと考える論拠となる世間水準等について、組合から提示や説明を要求されても、これを拒否し続けた。

(3) このような会社の対応は、不誠実な団体交渉に該当する。

 

問合せ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 03−5320−6991