平成29年7月26日

東京都労働委員会事務局

 

 

D事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙のとおり)。

 

1 当事者 

  申立人  X1(組合)

被申立人  Y1(株式会社)

 

2 事件の概要

平成261228日、会社のB1社長は、従業員であるA1に対し、就職活動を行っているか否かを尋ね、退職するのであれば年明けに退職届を提出するよう促す発言をした。A1は、組合に加入し、組合は、会社に団体交渉を申し入れた。

27年1月16日、組合と会社との第1回団体交渉において、B1社長は、上記発言を撤回する一方、A1に対する特別待遇を廃止する旨を述べた。従前、会社は、A1に対し、特別待遇と称して、役職手当及び交通費を支給するとともに、通勤手段として社有車を貸与し、そのガソリン代を負担していたところ、役職手当を廃止し、社有車貸与、ガソリン代の負担及び交通費の支給を取りやめた上、A1が電車で通勤することを前提とする交通実費相当額のみを支払うこととした。(@)

3月2日、A1は、会社において、休憩時間中、組合への加入を呼び掛けるチラシ等を配布した(以下「本件配布行為」という。)。3月5日に行われた団体交渉の席上、B1社長は、A1の本件配布行為について「会社を潰す、潰すの」などと発言した。(A)

13、A1とB1社長とは、協定書案を巡って口論となった。(B)

本件は、@会社がA1に対する特別待遇を廃止したことが組合員であるが故の不利益取扱い及び組合の運営に対する支配介入に当たるか否か、AB1社長が本件配布行為に関して発言したこと及びB4月13日の口論の際にB1社長がA1の左手を蹴った事実があったか否か、あったとすればこの行為が、組合の運営に対する支配介入に当たるか否かが、それぞれ争われた事案である。

 

3 命令の概要(全部救済)

<主文(要旨)>

(1) 役職手当の廃止及び交通費名目での支給の取りやめをなかったものとして取り扱い、A1に対し、27年2月支給分以降の上記各相当額を支払わなければならない。

(2) 組合チラシ配布を非難するなどして組合活動に支配介入してはならない。

(3) 文書掲示及び交付、並びに履行報告

 

4 判断のポイント

(1) B1社長は、団体交渉においてA1に対する退職勧奨を撤回することにより、特別待遇を廃止するとの具体的な意欲を持ったとみざるを得ず、特別待遇を廃止したことは、組合員であるが故の不利益取扱い及び組合の運営に対する支配介入に当たる。

(2) B1社長の発言は、組合の組織拡大を嫌い、これをけん制することを意図したものであるといわざるを得ず、組合の運営に対する支配介入に当たる。

(3) B1社長は、A1がICレコーダーを所持していたことに怒り、足を蹴り上げたところ、その足は、A1の手又は手に持っていたICレコーダーに当たった。この行為は、組合の運営に対する支配介入に当たる。

 

 

 

問合せ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 03−5320−6992