平成29年6月29日

東京都労働委員会事務局

千代川運輸事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。

命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者 

  申立人  全日本建設運輸連帯労働組合関東支部

  被申立人  千代川運輸株式会社

 

2 事件の概要

 組合は、厚生労働大臣の許可を受け、複数の事業主との間で労働者供給契約を締結し、各事業主の求めに応じて、組合員である日々雇用労働者を供給している。

  平成17年3月、組合と会社とは、労働者供給事業の実施について合意し、労働協約を締結し、以後組合は、会社に、組合員である日々雇用労働者を供給してきた。

  27年4月14日、組合は、会社に対し、組合員である日々雇用労働者の労働条件改善について団体交渉を申し入れ、4月21日、5月21日及び6月10日に団体交渉が行われた(以下、3回の団体交渉を併せて「本件団体交渉」という。)。

本件は、本件団体交渉に、⑴会社が応ずる義務があったか否か、⑵応ずる義務が会社にあった場合、会社は、誠実に対応したか否かが争われた事案である。

 

3 命令の概要 (全部救済)

<主文(要旨)>

⑴ 組合が申し入れた、労働者供給契約に基づき組合が会社に供給している日々雇用労働者の平成27年度の賃上げを議題とする団体交渉に、会社回答の裏付けとなる資料を示し、理由を説明する等して、誠実に応じること。

⑵ 文書の交付

⑶ 前項の履行報告

 

4 判断のポイント

 ⑴ 会社が団体交渉に応ずる義務があったか否か

   団体交渉申入書の記載内容や、4月21日の団体交渉で団体交渉事項が日々雇用労働者の賃上げであることを確認してから協議に入っていること等から、交渉事項が特定されていなかったとはいえず、会社には、団体交渉応諾義務があった。

 ⑵ 会社は、団体交渉に誠実に対応したか否か

 組合が、会社の経営状態を示す具体的な資料を基に賃金引上げの余地を協議する必要があると述べていること等から、会社の全部門における経営実態を把握した上で賃金引上げの余地を検討協議するために、資料提出を求めていたことは明らかである。

 会社が示した資料やその資料についての説明は、不十分なものであったといわざるを得ない。

 運転業務という同一の労働に従事している運転手の賃上げ余力を、日々雇用労働者が従事している事業部門だけを取り出して説明しようとする会社の態度に組合が疑問を持ち、更なる資料提出を求めたのも無理からぬことである。

 会社は、組合の賃上げ要求に対して有額回答をしたものの、満額回答したものとはいえず、会社回答の根拠となる経営状況等を説明する必要がなくなったとはいえない。

 会社は、賃上げ余力がないとの会社回答の合理的根拠を必要な資料を示すなどして十分に説明したとはいえず、誠実に団体交渉に応じていたとはいえない。

問合せ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 03−5320−6987