平成29年10月25日

東京都労働委員会事務局

 

K事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者 

  申立人  X1(組合)

        X2(組合連合会)

  被申立人  Y1(株式会社)

 

2 事件の概要

  平成2710月1日付けで会社からY2株式会社の新設子会社への事業譲渡が予定されていたところ、組合は、会社の出版物の著者に対し、事業譲渡に伴う従業員全員の雇用維持等への協力を求め、出版契約の地位移転契約の締結を一時保留するよう求めるなどした。

  本件は、@B1営業部長が、27年9月8日、営業所長等に対し、組合による著者への働き掛けが正当化されるのかを所員と話し合うこと等を求めるメールを送信したこと、A会社が、9月10日、組合による著者への働き掛けが事業譲渡の障害である旨を述べた上で事業譲渡への支持を求める社内ブログを掲載したこと、B10月6日に行われた全社集会における会社の司会進行が、それぞれ支配介入に当たるか否か、また、C10月7日にB2部長が組合員A1にメールを送信した事実、及び課長待遇のB3が組合員A2に「Y1に残るなら、組合は辞めてください。」と述べた事実がそれぞれあったか否か、あったとすればそれが支配介入に当たるか否かが争われた事案である。

 

3 命令の概要 (一部救済)

<主文(要旨)>

 (1) 会社は、自ら若しくはその管理職をして、組合の活動を非難し、従業員間で組合への批判的な意見の醸成を図ったり、組合内部の意思形成に介入したり、組合員に対し、組合からの脱退を勧奨するなどして、組合の組織運営に支配介入してはならない。

 (2) 文書の交付、掲示及び社内ブログへの掲載

   要旨:@B1営業部長が、27年9月8日、メールを送信したこと、A当社が、9月10日、社内ブログに記事を掲載したこと、及びBB2部長が、10月7日、組合からの脱退を勧奨するメールを送信したことは、東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されたこと。今後、このような行為を繰り返さないように留意すること。

 (3) 前項の履行報告

 (4) その余の申立ての棄却

 

4 判断のポイント

(1) B1営業部長のメールは、組合内部の意思形成に介入したり、従業員間で組合への批判的な意見を醸成させることなどを指示するものであるから、支配介入に当たる。

(2) 27年9月10日の社内ブログは、従業員に対し、組合への不信感を抱かせ、組合活動に批判的な会社内の世論を醸成しようとしたものであるから、支配介入に当たる。

(3) 全社集会において、組合批判の発言を禁止する等の対応はせず、組合に弁明の機会を確保した会社の対応は、組合に対する支配介入に当たるとまではいえない。

(4) B2部長のメールは、組合からの脱退を促す内容であり、支配介入に該当するが、B3については、組合の主張するような発言をした事実があったとは認められない。

 

 

問合せ先 労働委員会事務局審査調整課

電話 03−5320−6998