平成29年 9月27日

東京都労働委員会事務局

K事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者

申立  X(組合)

被申立人  Y(株式会社)

 

2 事件の概要

Aは、被申立人会社との間で、平成27年4月15日から9月末日までを期間とする有期雇用契約を締結し、電車車両用機器の洗浄作業に従事していたところ、同年8月末頃、会社より、契約更新しない旨を示唆されたことから、申立人組合に加入した。

組合と会社とは、Aの雇用契約更新を主たる交渉事項として、9月28日、11月9日及び1217日の3回にわたり団体交渉を開催し、その中で、組合は、Aが契約更新されない理由の説明を求めたところ、会社は、洗剤の拭き残しがあるなどAの洗浄作業が不十分であったためであるなどと回答した。これについて、組合が拭き残しのあった具体的な回数、日時の明示及び日誌等の資料の提示を求めたところ、会社は、何回もあった、資料を提示する必要はない等の回答を繰り返した。

組合は、1222日、28年1月22日及び3月9日の3回にわたり、第4回の団体交渉を申し入れたが、会社は、これ以上交渉を継続しても進展はないとして、団体交渉を打ち切る旨を回答し、団体交渉開催に応じなかった。

本件は、@Aの雇用契約更新に係る第4回の団体交渉に会社が応じなかったことが正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か、及びA本件に救済利益はあるか否かが争われた事案である。

 

3 命令の概要 <主文>

⑴ 会社は、組合が平成271222日付けで申し入れたAの雇用契約更新に係る団体交渉に、必要な資料を提示し、同人の契約不更新理由の根拠を説明するなどして誠実に応じなければならない。

⑵ 文書交付

⑶ 第2項につき履行報告

 

4 判断のポイント

 ⑴ 会社がAの雇用契約更新に係る第4回団体交渉に応じなかったことに正当な理由はあるか否か

第1回ないし第3回団体交渉における会社の対応からすれば、団体交渉が行き詰まりの状態に達していたとはいえず、組合が団体交渉を放棄したとも認められないのであるから、会社が、交渉の行き詰まりを理由に、組合からのAの雇用契約更新に係る第4回団体交渉の申入れに応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。

⑵ 救済利益の存否について

会社は、本件審査手続において、組合が団体交渉を行うことは希望しない旨を述べたとして、団体交渉を求める救済の利益は失われた旨主張するが、和解に向けた調整を行っている場面において、組合が、会社が主張するような発言をしたとしても、和解が成立しなかった本件において、それが組合の確定的な見解であると評価するのは相当でなく、会社の主張は採用することができない。

組合は、一貫して団体交渉における会社の誠実な対応を求めていることから、自ら折衝の機会を放棄したとはいえず、会社は、本件審査手続において組合に対する必要十分な説明はしているとの主張を維持しているのであるから、会社に対し、団体交渉誠実応諾を命ずる必要性が失われたということはできない。

問合せ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 03-5320-698803-5320-698703-5320-6986

したがって、組合が救済の意思を放棄したとは認められず、また、救済の必要性が失われたということもできない。