平成30年3月22

東京都労働委員会事務局

J事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者 

  申立人  X(組合)

被申立人  Y(国立研究開発法人)

 

2 事件の概要

Yは、中期計画(5年間)の終了時を有期雇用職員の契約更新限度とし、新たな中期計画が開始する年度においては、原則として、公募手続を経ることとしている。

組合員2名は、Yに有期雇用職員として採用され、途中1回の公募を経て、1年間の有期雇用契約を7回締結ないし更新しており、平成27年度末が契約更新限度となっていた。2711月、Xは、管理職からのパワーハラスメント(以下「パワハラ」という。)や組合員2名の雇用確保を議題とする団体交渉を申し入れた。団体交渉でYは、パワハラには当たらないと回答したものの、Xが求めた管理職以外からの聞き取り調査は行わなかった。組合員2名は、28年度公募に応募したものの、両名とも不採用となり、有期雇用契約は28年3月末日で終了した。Xは、組合員2名の不採用理由の具体的説明を求めたところ、Yは、総合的に審査した結果であると回答した。

本件は、@Yが、28年4月1日以降、組合員2名を雇用しなかったことは、組合員であるが故の不利益取扱いに当たるか否か、AXがYに申し入れた、パワハラ及び組合員2名の不採用理由に係る団体交渉におけるYの対応が、不誠実な団体交渉に当たるか否かが争われた事案である。

 

3 命令の概要(一部救済)

<主文(要旨)>

(1) 管理職が組合員に対して行った言動がパワハラに当たるか否かについて、管理職以外の職員からも聞き取り調査を行うなど必要な調査を実施するとともに、調査方法及び調査結果を具体的に説明するなどして、団体交渉に誠実に応じること。

(2) 文書掲示及び交付、履行報告

(3) その余の申立ての棄却

 

4 判断のポイント

(1) Yが組合員2名の組合加入通知以前から業務体制の変更を検討していたこと等を考慮すれば、組合員2名を雇用しなかったことは、組合員であるが故の不利益取扱いに当たらない。

(2) パワハラに係る団体交渉において、十分な聞き取り調査を実施しないまま、パワハラはないとの説明を繰り返したYの対応は、不誠実な団体交渉に当たる。

(3) 新規応募者が不採用となった場合とは異なり、Yは、Xに対し、組合員2名が採用されなかった理由について、相応の説明をしなければならない立場にあった。

組合員2名の不採用理由に係る団体交渉において、Yは、組合員2名の不採用に係る事情について相応の説明をしており、Yの対応が不誠実であるとはいえない。

問合せ先 労働委員会事務局審査調整課

電話 03−5320−6992