令和元年7月23日
東京都労働委員会事務局
S事件命令書交付について
当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。
1 当事者
申 立 人 X1(組合)
被申立人 Y1(株式会社)
2 争点
(1) 組合の平成28年9月30日付団体交渉申入れに対する会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か(争点1)。
(2) 会社が、平成28年9月10日付けでA著『中小企業がユニオンに潰される日』(本件書籍)を出版したことは、組合運営に対する支配介入に当たるか否か(争点2)。
3 命令の概要 <一部救済>
(1) 争点1 <棄却>
これまで団体交渉は会社会議室にて開催されていたところ、開催場所を組合会議室へ変更することを求めるにあたっての組合の説明は不十分なものであり、開催場所について合意に至らなかったことの原因が会社側の対応のみにあったとはいえない。
よって、組合の団体交渉申入れに対する会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるとはいえない。
(2) 争点2 <救済>
本件書籍の出版時における労使関係は極めて緊迫しており、また、会社は、X2に対して組合を誹謗中傷する発言を繰り返し、X2に直接、組合の頭越しに和解交渉を働き掛けていることなども踏まえると、会社が、組合とX2の組合活動に支障や萎縮を招く記述のある本件書籍を出版したことは、組合運営に対する支配介入に当たる。
会社は、組合に対して文書交付(要旨:本件書籍の出版が不当労働行為であると認定されたこと。今後繰り返さないように留意すること。)をすること。
<参考>
命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
問合せ先 労働委員会事務局審査調整課 電話 03−5320−6986 |