令和3年3月12 

東京都労働委員会事務局 

 

K事件命令書交付について

 

当委員会は、昨日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当 事 者

申 立 人   X1(組合)

被申立人  Y1(会社)

2 争 点

会社が、平成31年4月17日付け、25日付け及び令和元年5月1日付けの団体交渉申入れに対し、大会開催手続など組合の内部運営についての具体的な説明を求め、その説明がないことを理由に応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉の拒否及び支配介入に当たるか否か。

3 命令の概要<全部救済>

⑴ 組合の資格について

当委員会による組合の資格審査の結果、組合には労働組合法(労組法)第2条及び第5条第2項違反は存在せず、法適合組合と認められる。

⑵ 団体交渉拒否について

会社は、労組法第2条の自主性及び同法第5条第2項の民主性の点で組合の法適合性並びに執行委員長の代表者としての資格に疑義を示して代議員の選出手続などについて具体的な説明を求めているが、会社が問題視する組合の自主性や民主性に関する事項は組合の内部運営に係る事柄であるから、団体交渉を拒否する理由にはならない。

⑶ 支配介入について

団体交渉の開催自体を否定すべき現実かつ具体的な事情があったとまでは認められないにもかかわらず、組合の内部運営に立ち入った会社の対応は、本来使用者が立ち入るべきではない組合の自治に介入しているものといわざるを得ず、組合の自主的な組織運営・活動に介入し、組合の代表者資格を否定することにより組合を弱体化させる行為にほかならない。

 ⑷ 以上のとおり、会社が上記2の団体交渉に応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たるとともに、組合の組織運営に対する支配介入にも該当する。

 ⑸ 会社は、上記2の団体交渉に応じること、組合が大会開催手続など組合の内部運営について具体的に説明しないことを理由に団体交渉を拒否しないこと。

<参考> 命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。

・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)

・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)

問合せ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 0353206998